飼い犬が死んだ
昨日、飼い犬が死んだ
老衰だったと思う
16歳だったからね 長生きだ
当時の私が命名したんだったかな
名前はポテ 雑種 いや ぽてちだったっけ みんなずっとポテちんって呼んでたから本名も忘れちゃった
自分でつけたのに
由来はよく覚えてないけど、お腹がぽってりしてたとかそういうしょうもないことだった気がする
もしかしたらその時ポテチを食べてたかも
出会いは小学生の頃
詳しい経緯は忘れたけど、母の知り合いの家で産まれすぎた子犬を引き取るとかそんなんだったんじゃないかな
そこに私もついていった
黒い子犬2匹と白い子犬1匹がいて、私がその白い子を選んでうちに連れて帰った
色が一人だけ違くて、仲間はずれみたいでかわいそうだったから
連れて帰ったらもう元気に走り回って
とかそんなことはなくて
最初の一週間くらいは部屋の隅でぷるぷる震えてたのを今でも鮮明に覚えてる
おしっこも漏らしちゃうし
あんまり刺激しないように適度に放置しながら、時折様子を見に(という名目で撫でに)行ったりした
芸を覚えるのが早くて、お手、おかわり、お座り、伏せを一瞬でマスターしてしまい天才かと思った
でもそれ以外が全然できなくて実はアホなんじゃ、と笑った
しばらくするとどんどん大きくなってやんちゃになってった
犬特有の序列付けなのかじゃれてるのかは分からないけど、私に飛びかかってきて、私はそれを振り払って、また飛びかかってきて
っていうのを広い部屋でずっとやった
疲れる上にクソ痛いし、定期的にやらされるし、正直辟易してた
更に日が経って、身体も大きくなっていろいろ支障が出始めたので、外飼になった
それから奴はよく小屋を脱走して、近所の犬飼ってる家に遊びに行ってた 3万回くらい
その度に私が駆り出されて、奴が大好きなジャーキーを手に連れ戻しに行った
何回脱走してもジャーキーに釣られ逮捕されるので、やっぱりアホじゃないか、と笑った
散歩が好きだった 水浴びが好きで、よく近くの川に遊びに行った
小屋から出してリードを繋いだ瞬間に凄いスピードで駆け出して強く引っ張られて腰を痛めた
小屋から出た瞬間はリードも繋がれてなくて脱走し放題なんだけど、繋がれるまでおとなしく待ってたのが印象的だった
利口なのかアホなのか
父親も一緒の時、かなり遠くの普段行かないところまで散歩に行った
通り道に側溝があって、ジャンプするまでもなく越せそうな小さい側溝だったんだけど、怖がってぷるぷる震えてた
私に飛びかかってきてるのになあ、と父親と笑った
いろんな事があった
気が付くと奴は散歩には行けなくなってたし、白内障で目もほとんど見えなくなってた
最後の一週間はもう自力で起き上がることもできなくなってた
食べ物も何も食べなくなって、あれだけぽってりとしてたのにガリガリになってぷるぷる震えてた
たまにかすれた声で吠えて呼ぶので、口元に水を流してやると飲む
頭を撫でてやるとそのまま目を閉じてお昼寝
思い返してみれば昨日は様子が変だった
いつもは身動きせずに水を飲むのに、それを拒否るような動きを見せて何かを訴えようとしたり
それで心配になって1時間起きくらいに様子を見に行ったりした
今日は大丈夫だと思ったんだけどな
見た時にはもう動かなくなってたけど、身体はまだ温かかった
もっと散歩に連れてってあげればよかったし、もっと遊んであげればよかった
嫌われるくらい頭も撫でてあげればよかったし、医者に怒られるくらいおやつもあげればよかった
もっと写真も取ってやればよかったし、もっと可愛がってあげればよかった
今朝、亡骸を庭の隅に埋めた
庭によく穴を掘ってた場所があるからそこに埋めてやりたかったけど、庭ど真ん中だったのでやめた
食べられなくなって大量に余ったジャーキーと他おやつも一緒に埋めた
できるだけ口に近づけておいた 食べられないと困るからね
それからお線香を立てた ジャーキーも立ててやろうかと思ったけどやめた
奴はうちに引き取られて幸せだっただろうか
私はあの時白い犬を選んでよかったと思ってる
どうか安らかに眠ってくれ
R.I.P. ポテちん